PC010 鹿児嶋縣 まことの電知(しらせ)八號
明治十年三月廿六日御届
同四月 出板
河野四良、西郷小平、別府九郎、西郷隆盛
此に(ここに)三月十四日の戦は官兵を進められ中にも警部
十名巡査百名三手に別れ各々氷の劍を抜かざし
白布にて鉢巻なし足袋跣し(たびはだし)の侭 叱咤呼で(おひきさけんで)真先
驅入り(かけいり)数日抜ざる賊塁をわずかの内に攻落したり
此戦いに警部補入(とらへいる)巡査八人即死手負十人賊を
取こと四十五人賊は器械弾薬を捨て逃去りたり
査公の功実大井なり(おおいなり)
此戦争(かつせん)には田原坂植木二ヶ所は暴徒の要の場所
此を破られてはと賊将貴嶋宇左郎続いて長山別府河の松永弟子丸 西郷などわれおとらじと必死の
勇を振ひ烈しき下地を伝え此処を千途と防戦
を仕り されば田原坂の賊塁大半攻取ったり
官軍一手は植木に攻めかけ 是又烈しき大戦なる
勝敗わからず
明治十年三月廿六日御届
同 四月 出板
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