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少し時間がかかります。
左の上図が国立国会図書館蔵D110である。下図は静岡県立中央図書館蔵・当ページの作品である。比較してみよう。
デジタル化の過程や、保存状態の違いからかも知れない差異を別にして明らかな色の違いは、背景の地の色である。空は、国会の方は青灰色、静岡は灰色である。地面は国会がうぐいす色、静岡は緑色である。その色味の違いと、墨の濃さ(国会の方が濃い)がコントラストの違いとなって、全景の戦闘場面の際立ち方をかえている。国会の方が、きりっと引き締まった画面に見える。
細部に目を向けると、右図の前方で戦う女兵士の着物の色が、国会では鮮やかな青であるが、静岡では灰色で落着いた色使いになっている。これが一番の違いかもしれない。中図から左図にかけての花の色の赤色の鮮やかなグラデーションは静岡の方が細やかである。その花の木の肌も色味が違う。
国会の方のきりっと引き締まった画面と、静岡の落着いたまとまりといった、雰囲気だ。
ほとんど同じ作品だが、比較すると印象の違いが明らかだ。