S007鹿児嶋女水滸傳
御届明治十年
出版人 児玉弥七 〇〇三丁目一番地
画工 荒井八十八 上の町一丁目十二番地
右図 前原おいち 市川左團次 村田おしん 尾上菊五郎
中図 西郷おたか 坂東彦三郎 篠原おくに 中村芝翫
左図 町田おけい 岩井半四郎 桐野およし 市川団十郎
静岡県立中央図書館の分類は以下の通り
請求記号 K915-108-027-026
画題(題名) 鹿児島女水滸伝
絵師(画工名) 豊原国周筆印:荒川八十八版元 児玉弥七
出版年 明治10年届(1877)員数 3枚続版型 大判彩色
錦絵資料名 上村翁旧蔵浮世絵集(27)
カテゴリ /浮世絵/21集~30集/27集-国周ほか
このページの画像は静岡県立中央図書館のデジタルデータを利用して構成している。また、データに関しては東京大学史料編纂所錦絵データベースを参考にした。
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前原一誠を前原おいち 市川左團次
村田新八を村田おしん 尾上菊五郎
西郷隆盛を西郷おたか 坂東彦三郎
篠原国幹を篠原おくに 中村芝翫
町田啓治郎を町田おけい 岩井半四郎
桐野利秋を桐野およし 市川団十郎
にそれぞれ見立ててある。御届が明治10年であることから、実際に上演された歌舞伎ではないと思われる。というのも、日本芸術文化振興会の文化デジタルライブラリーの河竹黙阿弥作品事典によると
「明治11年(1878年)1月に東京の小芝居で西郷隆盛の決起から切腹までを描いた芝居が上演されています。」
とあり、西南戦争物はこの小芝居が最初であると思われるからだが、このページの「鹿児島女水滸伝」はこんな役をこんな役者が演じたらさぞかしすごいだろうなあ、という見立てに基づいた画であろう。すべて賊将が、主役として並んでいる訳で、もしかしたら、政府の反応を探るような意味もあったのかもしれない。市川団十郎が西郷隆盛を演じた「西南雲晴朝東風」は明治十一年二月に新富座で上演され好評を博した。詳しくは、次のS008西南戦争を参照されたい。