B018鹿児島縣下甲突川竹柵之図
Kagoshima kenka koutotsu kawatake saku no zu
明治十年六月廿日御届
出板人 清水嘉兵エ 神田鍋丁二番地
画工 橋本直義 上野北大門丁十一番地
彫工 平
右図:別府新介・高城十二・肥後助右衛門・池上四郎
時に明治十年五月十日以前とや月なき夜半の竹橋を結ひつらねし柵の縄をバ切とらハ必定賊徒ござんなれと待設(まちもうけ)たる番兵がはつさず發する銃先にアツト魂切る女の聲に如何なる者ぞと近寄て死骸をミれバ息ひきや年まだ若き一個(ひとり)の婦人背中に幼稚児(こども)を負たるか母子とも急所を打抜き川瀬に倒伏たるがいと哀憐(あはれ)の事にぞ有ける
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国会図書館所蔵品『060鹿児島県下甲突川竹柵之図』の異版である。これまで見てきた所蔵館それぞれの特徴は、そのまま出ている。つまり、国会図書館は赤が強く発色され、大英博物館は青が強く発色されるという事だ。それに加えて、大英博物館の方は緑の発色がかなり強い。青竹、衣服、草などであるが、少し強すぎて、全体の統一感でみると国会の方が勝っているようだ。
国会図書館 蔵 鹿児島縣下甲突川竹柵之図はこちらからどうぞ。
甲突川にこうとつがわ(かうとつかは)とフリガナがふってある。正しくはこうつきがわ。周延はじめ制作グループの間違いであるが、大英博物館のタイトルもkoutotsu kawaとなっている。
国会図書館版の 061鹿児島伝報記 甲突川戦争図 も同じ読み間違いをしている。