024鹿児嶌記聞ノ内 羽間川の戦
御届明治十年四月 日
板人 福田熊次郎 長谷川丁廿バンチ
エ 山崎徳三郎 浅草駒丁丗四バンチ
右図:尾田啓助・徳久孝次郎・桐野利秋・能勢十九郎・別府新助・武中彦・中沢佐七郎
中図:陸軍野津少将・石井孝之助
左図:陸軍三好少将
経邦ノ智蓋世ノ勇モ負(タノ)ムニ足ラズ無名の師(イクサ)不正ノ暴挙安(イズク)ンゾ功ヲ成スヲ得ン維新ノ偉功ニ依テ天下ノ人望己レニ帰セリトスル賊長西郷戊辰ノ役ノ戦功ヨリ武勇ヲ以テ自ラ任ズル篠原桐野等兇猛血気ノ頑(ガン)黨(トウ)をヲ募り一挙熊本城ヲ陥イレ九州ヲ席券スル旬日ヲ過ギズト図リシモ張巡楠氏ガ肺肝ヲ得タリシ若キ谷少将ガ防禦ノ術(テダテ)ニ徒ラニ数日ヲ囲繞(イニョウ:まわりをとりかこむこと)スルニ止リ進テ豊筑ヲ略奪セントスルモ官軍出兵ノ迅速ナルカ為ニ十里ノ外二進ヲ得ズ就中(ナカンヅク)二月廿七日羽間川ノ戦ヒハ賊軍兵ヲ二手分チ正兵ハ川二向テ進撃シ奇兵ノ一隊河上ヨリ官軍ノ横ヲ襲ヒ屢々死奮ノ激戦為セシモ野津少将ガ機二臨ミ變ニ應ズル神出鬼没ノ武略二摧(クダ)カレ賊軍散々二敗北セリ夫レ驕兵ハ必ズ敗ルト孫子ノ金言宜ナル哉
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