S028 鹿児嶋県暴徒熊本乱入圖
かごしまけんぼうとくまもとらんにゅうのず
明治十年三月廿九日御届
出板人 井上茂兵衛 大傅馬町二丁目十四番地
画工 橋本直義 上野北大門丁十一番地
定價六銭
中図 別府新助、西郷小平
左図 岡本中佐
081鹿児島戦記 〔熊本城の戦〕 の異版である。右図は失われている。
静岡県立中央図書館での分類は
請求記号 | K915-108-033-032 |
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画題(題名) | 鹿児嶋県暴徒熊本乱入図 |
絵師(画工名) | 楊洲斎周延筆印:橋本直義 |
版元 | 井上茂兵衛 |
出版年 | 明治10年3月29日届(1877) |
員数 | 2枚続 |
版型 | 大判 |
彩色 | 錦絵 |
資料名 | 上村翁旧蔵浮世絵集(33) |
カテゴリ | /浮世絵/31集~40集/33集-周延 |
このページの画像は静岡県立中央図書館のデジタルデータを利用して構成している。また、データに関しては東京大学史料編纂所錦絵データベースを参考にした。
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左側は「081鹿児島戦記 〔熊本城の戦〕」国会図書館蔵の作品(以下国会)である。右側が当ベージの作品「S028 鹿児嶋県暴徒熊本乱入圖」静岡県立中央図書館蔵(以下静岡)である。静岡の方は右辺が失われているものの残った二枚を比較すると同じものであることは、簡単にわかる。面白いことに決定的な違いがある。両者のタイトルが全く異なっていることだ。国会の方の亀甲括弧の中は整理の便宜上図書館員がつけたものなので、正確には「鹿児島戦記」と「鹿児島県暴徒熊本乱入圖」の違いになる。
比較してみると、色が鮮やかに残っているのは国会の方。細部まで見ても、兵士の背嚢の色が少し違う以外は、ほとんど同じ配色である。先にあげた、タイトルの違い以外はほとんど同じといって良い。さて、どっちが先刷りか、というと、御届印のところの数字の欠落を考えると、静岡が先のように思える。タイトルを変えて、シリーズ物の一部として、再販売したなどということだろうか?今後、鹿児島戦記のシリーズを抜き出して、並べてみるなどして解明していきたい。