070西海暴動電信紀聞 〔神風連の輩種田政明少将の私邸を襲う〕
さいかいばうどうでんしんきぶん
明治十年七月廿六日御届
出版人 大倉孫兵衛 日本橋通一丁目十九番地
画工 橋本直義 上野北大門十一番地
右図:児玉森・中根景澄
中図:高津運記・赤嶺一雄・立島駿太
左図:正五位陸軍少将種田政明
熊本縣下の士族神風連と称する輩俄に(にわかに)暴發なしつつも鎮臺并に縣廳を襲ひ猶官員の邸へ討入る其中にも種田氏の邸宅へハ高津児玉を始めとして無二無三に切廻る事不意に出たれバ家内の狼狽大かたならず種田氏ハ少しも動ぜず多勢を相手に戦ふたり干時明治九年十月廿五日の夜なり