048薩肥海鹿児島逆徒征討図

さつぴかい　かごしまぎゃくとせいとうのづ　　　　　　　　　　　　　　　

早川松山　　　　　　　　　　　　　　　　　国立国会図書館　蔵

明治十年三月八日御届

板　　小林鉄次郎　通二丁目四番地

画工　早川徳之助　猿楽丁十五番地

右図：旧陸軍大将　西郷隆盛・旧陸軍少将篠原国幹

中図：旧陸軍少将　桐野利秋・淵辺

左図：平山新助

上古の事ハ姑く（しばらく）置て神武天皇御世を治しめしてより以来皇統一姓に存せバ大政総て王室より出ず云をなかりしに島津の祖先源頼朝相州蛭が児島に起りて義仲を追討し平家を西海に沈めてより国家の政権武家に出るに至りて六百有余年将軍職を置れたりしも一回天下変遷するや戊辰の役に将軍職を廃止して天下の政権皇室より出るに至りて一新開化に進歩して諸民太平を楽ミ今や開明の治世に方（あた）り此度又鹿児島旧藩士等不平を鳴し皇統に抗するも暫時の夢を見るが如し一時賊軍勝利を得るとも昔古より朝敵逆徒の暴意を貫ぬきしためしあらんや官軍がたにハ海陸ともに十分用意ととのひしかば賊軍何かハ以てたまるべけんや

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