038鹿児島新聞 八代口大戦争
かごしましんぶん やつしろぐちだいせんそう
明治十年四月十四日御届
出版人 新井三之助 南小田原三丁メ二バンチ
画工 永島辰五郎 須田丁四バンチ
三枚定價六銭
右図:町田敬二郎
中図:小さなコマ内(西郷隆盛・桐野利秋・別府九郎・椛山某・中根半七・渕辺高照)
左図:小さなコマ内(永山九成・前原一格・仁礼某・町田敬二郎)黒田中将
茲に佐土原旧知事の三男に町田敬二郎といふ壮年者あり近傍の人小西郷と称して尊敬せり心猛勇にして又武芸兵法に心を尽し文学にも暗からず才智衆人に秀でたり鹿児島人暴発の模様を知るにおよび其身外山学校に居しが一先(ひとまづ)帰国して其実を探り得て時機によらバ共力を合んものと自ら心決定し国に帰りしバしバ西郷らの動静をうかがひしに鹿児島私学校の生徒ら暴挙の色を顕はし二月十八日肥後路へ進発せしと聞より町田ハ勇ミ立延岡佐土原等の士族三四百人を募り日向路より進発し直ちに西郷の陣営に趣き其手に加はらん事をのぞみしが西郷是を○引せず我輩ハ深き趣意の有て斯の如き兵力を動かす事なれバ再び命を全たふして帰国すべき身に有されバかならず余人の力を借りまじと堅く辞して止されバ町田も詮可為(せんすべ)なく去とて此侭退かんも残念なれバ此上ハ我自ら一手を引て花々しく一戦におよばんものと日向へ本陣を据豊後の国へと進まれたりとぞ此事件各社新聞より抜録せり
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