u015西海騒揺起源征韓論之図

さいかいさうえうきげんせいかんろんのづ

永嶋孟斎　画　

ヲン届明治十年九月　日

三枚六銭

出版　五月女藤五郎　本郷二丁メ三バンチ

画工　永島辰五郎　　須田丁四バンチ

右図：タイトル、議官柳原前光、太政大臣三條實美公、議長二品有栖川親王、開拓使長官黒田清隆、参議兼内務ノ卿大久保利通、参議内閣顧問木戸孝充

中図：参議大蔵卿大隈重信、右大将岩倉具視公、司法卿大木喬任、正三位陸軍少将！西郷隆盛、海軍大輔河村純義、参議陸軍卿山縣有朋、海軍中将榎本武揚

左図：正三位陸軍少将桐野利秋、正三位陸軍少将篠原国幹、参議江藤新平・参議前原一誠・参議板垣退介

去ル（さんぬる）明治四年の事なりしが外務卿副島君を以て全権公使と為し朝鮮国へ遣ハしけるに彼地の官人（くわんじん）我日本（わがくに）を軽蔑（かろしめ）使節へ對し粗暴有しゆへ副島君より帰朝の上速かに上申せられしより百官有志各々（おのおの）彼奴の不礼を憤怒断然？師（いくさ）を士を差向暴慢の鼻を挫ゐて日章？旗（こっき）の赫々たる威勢を海外に輝さん肩臂（けんぴ）を張て征韓の激論発（おこ）りしも岩倉君の弁解より不平の徒起り西南の起本とハなれり

竹林舎乕重記

正三位陸軍少将が三人いて西郷の位を間違えている、『D101西海騒揺起源征韓論之図』が異版なのだが、こちらは、位がすべて消えている。間違いだから、消したのか。それとも、賊だから消したのか。手間を考えると、削り取るだけで済むので消去して、彫足すことはしなかった、体裁を整えるために三人とも削り取ったというのが真相の様な気もする。いずれにしろ、u015が先、D101が後というのははっきりしている。

国会図書館での分類は以下の通り

u015西海騒揺起原征韓論之図

永島孟斎　　　　　　　　　　　　　　　　　　国立国会図書館　蔵　　　　　　　　　　　　　　

タイトル (title)

西海騒揺起原征韓論之図

著者 (creator)

永島孟斎//画　●井舎●実//〔文〕

収載資料名 (publicationName)

西南戦争錦絵

出版者 (publisher)

五月女藤五郎

出版年月日 (issued)

明治１０

出版年月日(W3CDTF形式) (issued:W3CDTF)

1877

フォーマット(IMT形式) (format:IMT)

image/jp2

内容記述 (description)

１コマ目：議官　柳原前光・太政大臣　三条実美公・議長　ニ品有栖川親王・開拓使長官　黒田清隆・参議兼内務ノ卿　大久保利通・参議内閣顧問　木戸孝允

２コマ目：参議大蔵卿　大隈重信・右大将　岩倉具視公・司法卿　大木喬任・正三位陸軍大将　西郷隆盛・参議陸軍卿　山県有朋・海軍大輔　河村純義・海軍中将　榎本武揚　

３コマ目：正五位陸軍少将　桐野利秋・正五位陸軍少将　篠原国幹・参議　板垣退介・参議　前原一誠・参議　江藤新平

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以下解決済み。

タイトル、絵師、出版人、は国会図書館所蔵のD101西海騒揺起源征韓論之図と完全に同一。名札も３コマ目＝左図の桐野利秋と篠原国幹に官位が追加されていること以外は人物の名前・官位などすべてが同一である。名札に情報が追加された例は他の作品にも見受けられるので、（D103九州植木口激戦図　参照）この作品も同一の版からの異版であると考えても間違いないだろう。なぜ、この作品だけ館内限定公開なのかは不明である。